長年、私は自分の横顔のライン、特に口元の突出感と、それに伴うぼんやりとしたフェイスラインに悩んでいました。いわゆる「口ゴボ」と言われる状態で、写真を撮られるのもあまり好きではありませんでした。歯並び自体も前歯が少しガタガタしていて、いつかは矯正したいと漠然と考えていました。社会人になり、金銭的にも時間的にも少し余裕ができたタイミングで、思い切って歯列矯正のカウンセリングを受けることにしました。いくつかのクリニックを回り、私の場合は上下の顎が少し前に出ている骨格的な要素もあるものの、抜歯をして歯を後ろに下げることで、口元の突出感はかなり改善されるだろうという診断を受けました。そして、上下左右の小臼歯を計4本抜歯し、表側のワイヤー矯正で治療を開始することになったのです。装置をつけた当初は、痛みや違和感、口内炎に悩まされ、食事もままならない日々が続きました。「本当にこれで輪郭まで変わるのだろうか」と不安になることもありました。しかし、月に一度の調整で少しずつ歯が動いていくのを感じ、数ヶ月経つ頃には、自分でも口元が少し引っ込んできたような気がし始めました。特に変化を感じたのは、治療開始から1年ほど経った頃です。以前は意識しないと口が閉じにくく、唇を閉じると顎に梅干しのようなシワができていたのですが、それがなくなり、自然に口を閉じられるようになりました。そして、横顔の写真を撮ってみると、明らかに口元の突出感が減り、鼻から顎にかけてのEラインがすっきりとしていたのです。ぼんやりとしていたフェイスラインも、心なしかシャープになったように感じました。友達からも「痩せた?なんか顔の雰囲気が変わったね」と言われることが増え、それがとても嬉しかったです。治療期間は約2年半。装置を外した時の感動は今でも忘れられません。歯並びが綺麗になったのはもちろんですが、それ以上に、長年のコンプレックスだった口元と輪郭が改善されたことで、自分に自信が持てるようになり、笑顔も自然になりました。もちろん、骨格そのものが劇的に変わったわけではありません。でも、歯の位置が変わり、口元のバランスが整うだけで、こんなにも顔の印象が変わるものなのかと驚きました。歯列矯正は、歯並びだけでなく、輪郭という見た目の悩みにもアプローチできる素晴らしい治療だと、身をもって体験しました。