子供が歯列矯正を始めた際、保護者の方が特に心配になるトラブルの一つが「ワイヤーが刺さる」問題です。大人の場合は痛みや違和感を具体的に伝えられますが、子供、特に年齢が低い場合は、うまく言葉で表現できなかったり、我慢してしまったりすることがあります。そのため、保護者の方の注意深い観察と適切な対応が非常に重要になります。まず、子供がワイヤーの痛みを訴えていなくても、普段と違う様子が見られたら注意が必要です。例えば、食事の量が急に減った、特定の硬いものや繊維質のものを避けるようになった、いつもより口数が少ない、頻繁に口元を気にしたり触ったりする、などの行動は、口の中に何らかの不快感があるサインかもしれません。また、仕上げ磨きの際に口の中をよく観察し、頬の内側や歯茎に赤みや腫れ、口内炎ができていないかチェックすることも大切です。もしワイヤーが刺さっているのを発見したり、子供が痛みを訴えたりした場合は、まず落ち着いて状況を確認しましょう。そして、矯正歯科で指導された通りに、矯正用ワックスを使って飛び出しているワイヤーの先端を保護してあげてください。子供自身がワックスを使えるように、事前に一緒に練習しておくのも良いでしょう。ワックスは学校にも持たせ、もし授業中や給食中に痛みが出た場合に自分で対処できるようにしておくか、養護教諭に相談できるように伝えておくことも有効です。食事に関しては、痛みがある時は無理に普段通りのものを食べさせず、お粥やうどん、細かく刻んだ野菜など、柔らかくて食べやすいものを用意してあげましょう。栄養が偏らないように工夫することも大切です。学校生活においては、給食の時間や体育の授業などで困ることがないか、事前に担任の先生や養護教諭に状況を説明し、必要な配慮をお願いしておくと安心です。例えば、給食で食べにくいものがあれば代替食を検討してもらったり、体育でボールなどが顔に当たるリスクがある場合はマウスガードの装着を検討したりするなどです。そして何よりも重要なのは、どんな小さなトラブルであっても、自己判断せずに速やかにかかりつけの矯正歯科に連絡し、指示を仰ぐことです。歯科医師や歯科衛生士は、子供の口の中の状態を正確に把握し、適切な処置をしてくれますし、今後の予防策についてもアドバイスをくれます。
子供の歯列矯正!ワイヤーが刺さる時の親の対応と注意点