歯列矯正を始めると、多くの人が経験するのが「噛むと痛い」という感覚です。この痛み、一体いつまで続くのでしょうか?そして、時期によって痛みの種類や強さに変化はあるのでしょうか?私の経験と一般的な情報を基に、矯正中の痛みについて少し深掘りしてみたいと思います。まず、矯正装置を初めて装着した直後、これが最初の大きな痛みの波と言えるでしょう。私の場合は、装着当日の夜から翌日にかけてがピークで、ズキズキ、ジンジンというような、歯全体がうずくような痛みでした。特に前歯は触れるだけでも痛く、食事は本当にお粥やゼリーがやっと。これは、今まで固定されていた歯が初めて力を加えられ、動き始めるための準備段階のようなもので、歯の周りの組織がびっくりしている状態なのでしょう。この初期の強い痛みは、個人差はありますが、だいたい3日から1週間程度で徐々に落ち着いてくることが多いようです。次にやってくる痛みの波は、毎月の調整日(ワイヤー交換やパワーチェーンの装着など)の後です。調整で新しい力が歯にかかると、また数日間は噛む時の痛みや歯が浮いたような感覚がぶり返します。ただ、不思議なもので、最初の装着時ほどの強烈な痛みではなく、少しずつ体が慣れてくるのか、「あ、また来たな」という感じで、対処法も分かってくるようになります。この調整後の痛みも、数日で和らぐのが一般的です。矯正治療中には、噛む時の痛み以外にも、様々な種類の不快感があります。例えば、ブラケットやワイヤーの端が口の粘膜や舌に当たってできる口内炎の痛み。これは食事中だけでなく、話している時にも気になり、地味にストレスが溜まります。これは専用のワックスでカバーすることでかなり軽減できます。また、ゴムかけ(エラスティックゴム)を始めると、特定の歯に引っ張られるような、持続的な鈍い痛みを感じることもあります。これは歯を正しい位置に誘導するために必要な力なので、頑張って慣れるしかありませんが、これも数日で気にならなくなることが多いです。面白いのは、痛みの感じ方が常に一定ではないということです。ある時は前歯が痛いのに、次の調整後は奥歯が痛む、といったように、力がかかっている歯によって痛む場所が変わります。また、体調によっても痛みの感じ方が左右される気がします。疲れていたり、寝不足だったりすると、普段より痛みに敏感になるような感覚がありました。
矯正の痛みはいつまで続く?種類の変化