私が歯列矯正を決意したのは20代後半。長年コンプレックスだったガタガタの歯並びとさよならするため、選んだのは最もスタンダードと言われるメタルブラケットでした。費用面での魅力と、確実に治したいという思いが決め手でした。初めてブラケットとワイヤーが装着された日、口の中は異物感でいっぱい。舌の置き場にも困り、滑舌も悪くなった気がしました。そして数時間後、じわじわとやってきたのが歯の痛みです。締め付けられるような、浮いているような、何とも言えない鈍痛。食事もままならず、おかゆやヨーグルトが主食の日々が数日続きました。これが矯正の洗礼か…と少し心が折れそうになりましたが、鏡を見るたびに「これで綺麗になるんだ」と自分を奮い立たせました。痛みは1週間ほどで徐々に和らぎ、食事も少しずつ普通のものが食べられるように。ただ、リンゴの丸かじりや硬いお肉はしばらくお預けでした。毎月の調整日は、新たな試練の始まり。ワイヤーを締め直したり、新しい太さのワイヤーに交換したりすると、また数日間はあの鈍痛がやってきます。でも、調整のたびに歯が少しずつ動いているのが実感できると、痛みを乗り越えるモチベーションになりました。食べ物が挟まりやすくなるのは覚悟していましたが、想像以上でした。特に繊維質の野菜やひき肉は強敵で、毎食後の歯磨きは必須。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシ、フロスも駆使して、30分近くかかることも。面倒くさいと思うこともありましたが、虫歯にでもなったら元も子もないと、必死に磨きました。見た目に関しては、最初はやはり気になりました。笑うと銀色の装置がキラリと光るのが恥ずかしくて、口元を手で隠す癖がついてしまった時期も。でも、周りの友人が「頑張ってるね!」「綺麗になってるよ」と応援してくれたり、同じように矯正している仲間と情報交換したりするうちに、だんだん気にならなくなりました。むしろ、カラーゴムで遊んでみたりして、矯正ライフを楽しむ余裕も出てきました。そして約2年半後、ついにブラケットオフの日が!装置が外れた瞬間の開放感と、鏡に映る整った自分の歯並びを見たときの感動は、今でも忘れられません。
私のメタルブラケット矯正日記!痛みと喜びと変化の記録