歯列矯正中の生活は、食事の制限や毎日の念入りな歯磨き、そして時折訪れる装置の調整後の痛みなど、何かと我慢や努力を強いられることが多いものです。そんな中で、私が密かな楽しみにしていたのが、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングを受けた後の、あの何とも言えない爽快感でした。矯正装置、特にブラケットやワイヤーの周りは、どんなに丁寧に歯磨きをしても、どこかスッキリしない感覚が残りがちです。食べ物が挟まっているわけではないのに、舌で触るとザラザラしたり、装置の隙間に何かが潜んでいるような気がしたり…。それが、数ヶ月に一度のクリーニングの日になると、一変するのです。歯科衛生士さんが専用の器具を使って、普段自分では届かない場所の汚れや、気づかないうちに付着していた着色、そしてザラつきの原因となるプラークを徹底的に取り除いてくれます。超音波スケーラーの振動や、研磨ペーストで磨かれる感覚は、決して「気持ちいい」とまでは言えないかもしれませんが、汚れがみるみるうちに落ちていく様子は、まるで大掃除の後のような達成感があります。特に、エアフローという、細かいパウダーを水と一緒に吹き付けて汚れを落とす処置をしてもらった後は、歯の表面がつるっつるになり、舌で触るのが楽しくなるほどです。そして、全てのクリーニングが終わり、口をゆすいだ瞬間の爽快感!口の中全体がリフレッシュされ、息まで綺麗になったような気がします。歯の一本一本がキュッと引き締まり、矯正装置さえも心なしか輝いて見えるような錯覚に陥ります。この爽快感は、まるで美容院でヘッドスパをしてもらった後のような、あるいはエステで念入りにケアをしてもらった後のような、特別なご褒美のような感覚でした。もちろん、クリーニングの主な目的は虫歯や歯周病の予防であり、美容のためではありません。しかし、この「綺麗になった!」という実感と爽快感が、矯正治療を続ける上での大きなモチベーションの一つになっていたことは間違いありません。クリーニング後は、歯磨きをするのも楽しくなり、「この綺麗な状態をできるだけ長く保ちたい!」という気持ちから、日々のセルフケアにもより一層力が入りました。
クリーニング後の爽快感!矯正中の密かな楽しみ