長年のコンプレックスだったガチャガチャの歯並び。一大決心をして歯列矯正を始めてから、装置が外れるまでの約二年半は、私にとって大きな変化と成長の時間でした。まず、最初の関門は勇気を出して矯正歯科のカウンセリングの予約を入れることでした。ネットで口コミを調べ、いくつかのクリニックに足を運び、先生との相性や説明の丁寧さで今のクリニックに決めました。初診では、私の悩みや希望をじっくりと聞いてくださり、矯正治療の流れや費用の概算を教えてもらいました。不安でいっぱいでしたが、先生の「一緒に頑張りましょう」という言葉に背中を押され、精密検査に進むことを決意。レントゲン撮影や歯型取り、顔の写真撮影など、本格的な検査は少し緊張しました。数週間後、検査結果をもとにした診断と治療計画の説明がありました。私の場合は上下左右の小臼歯を計四本抜歯する必要があるとのこと。抜歯と聞いて怖気づきましたが、抜歯しない場合のデメリットや、抜歯することで得られるメリットを丁寧に説明してもらい、納得して治療に臨むことに。矯正装置は、目立ちにくいセラミックブラケットを選びました。いよいよ装置装着の日。口の中に異物が入る感覚は想像以上で、初めの数日は食事もままならず、喋りにくいし、口内炎もできました。特にワイヤーを交換した後の数日間は、歯が浮くような鈍い痛みが続き、おかゆやヨーグルトが主食の日々。でも、鏡を見るたびに少しずつ歯が動いているのが分かると、その痛みがむしろ嬉しく感じられるから不思議です。月に一度の調整日は、痛みを伴うこともありましたが、歯磨きの指導を受けたり、先生や衛生士さんと治療の進捗について話したりする貴重な時間でした。カレーやコーヒーなど、着色しやすい食べ物を避けたり、食後の歯磨きを徹底したりと、生活習慣も変わりました。そしてついに、待ちに待った装置撤去の日。鏡に映った自分の整った歯並びを見た瞬間は、感動で言葉になりませんでした。長かったけれど、頑張って本当に良かったと心から思いました。でも、治療はまだ終わりではありません。ここからはリテーナー生活の始まりです。取り外し式のものと、歯の裏側に固定するワイヤータイプのリテーナーを併用しています。食事と歯磨きの時以外は装着するように言われており、サボると後戻りすると脅かされているので(笑)、真面目に取り組んでいます。