歯列矯正中に歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングが重要であることは理解できても、実際に「どこの歯科医院でクリーニングを受ければ良いのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。矯正治療を受けている矯正専門の歯科医院なのか、それとも普段から虫歯治療などで通っている一般歯科医院なのか、どちらが良いのでしょうか。結論から言うと、理想的なのは矯正歯科医と一般歯科医が連携を取り合い、それぞれの専門性を活かして患者さんの口腔ケアをサポートする体制です。しかし、現実的にはいくつかのパターンが考えられます。まず、矯正治療を行っている歯科医院が、矯正治療だけでなく一般歯科診療(虫歯治療、歯周病治療、クリーニングなど)も行っている場合は、そこで一貫してクリーニングやその他の口腔ケアを受けるのが最もスムーズでしょう。矯正装置の特性を熟知した歯科医師や歯科衛生士が、矯正中の歯の動きやリスク箇所を考慮しながら、最適なクリーニングを行ってくれます。治療の進捗状況も把握しているため、何か問題が生じた場合でも迅速に対応しやすいというメリットがあります。次に、矯正治療を専門に行っている歯科医院(矯正専門医院)で治療を受けている場合です。矯正専門医院では、歯の移動や装置の調整が主な診療内容となり、日常的なクリーニングや虫歯治療は行わない、あるいは限定的であるケースが少なくありません。このような場合は、矯正歯科医から「クリーニングや虫歯チェックは、かかりつけの一般歯科医院で定期的に受けてください」と指示されることが一般的です。この指示に従い、普段から通い慣れている、あるいは紹介された一般歯科医院で定期的なクリーニングを受けることになります。この場合、一般歯科の歯科医師や歯科衛生士は、矯正装置に関する専門知識が矯正歯科医ほどではないかもしれませんが、虫歯や歯周病の予防・早期発見・治療のプロフェッショナルです。矯正歯科医と情報共有をしてもらうことで、より質の高いケアが期待できます。どちらの歯科医院でクリーニングを受けるにしても重要なのは、「矯正治療中であること」を明確に伝え、矯正装置の周りの清掃や、歯が動きやすい時期の歯肉の状態などに特に注意を払ってもらうようお願いすることです。また、矯正歯科での調整日と、一般歯科でのクリーニングのタイミングをうまく調整することも大切です。
矯正歯科と一般歯科?クリーニングはどっちで受けるべき?